第3回目のインタビューは、利き酒師インストラクターのDosseur 里美さん。利き酒師は、レストランなどでお客さんが望んだ味の日本酒を出したり、その食事に合った日本酒を選んだりする。そして、里美さんは、イギリスで「利き酒師になりたい」という夢を持った人々に英語でセミナーを行い、利き酒師に育て上げる活動をしている。言わば、日本酒のプロを育てるのが里美さんの仕事だ。
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<プロフィール>
東京生まれ、東京育ち。
物心ついた時から両親の仕事の関係で、有名デザイナー達のファッションショーへ足を運ぶ様になるが、ファッションには全く興味がなく、両親を落胆させ、16歳から始めたレストランのアルバイトがきっかけで、ホスピタリティーに興味を持つ。
後、東京の5つ星ホテルに勤務していた際、日本酒を学び、そこでの縁がきっかけで渡英。
ロンドンベースの高級居酒屋ZUMA&Rokaグループにて9年勤務し、その後はロンドンでEnshu Ltdを設立。日本酒に関するイベント、ワークショップ、セミナーを始め、SSIインターナショナルのロンドン校インストラクターとして英国では初となる認定をSSIインターナショナルより受ける。
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- 日本酒との出会い
日本酒の歴史やその良さを海外の人に伝え、利き酒師になるためのセミナーを行っているDosseur 里美さん。今は日本酒を心底愛している彼女だが、もともとは、日本酒を飲むのは苦手だったという。日本酒との出会いは、当時働いていたホテルの日本食レストランでだった。「日本食レストランで働いているのだから、日本酒は飲めるようにならないと」と先輩に勧められ、お酒を口にする。その時、彼女に衝撃が走った。「こんなに日本酒が美味しいものだなんて、知らなかった。何か、ビビッと来たものがありました。」その美味しさに恋に落ちた里美さんは、日本酒について学びたいと思うようになる。そして、利き酒師のセミナーに参加、資格を取得した。
- 利き酒師の素晴らしさ
里美さんが渡英をしたのは、2005年のことだった。利き酒師インストラクターを務める前は、ロンドンにある高級日本料理店「ZUMA」で働いていた。ある時、日本酒に関する知識を共有し、広める活動をする協会である「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」から、「イギリスで、海外の人に利き酒師の講習をしてくれないか」と声がかかる。それがきっかけで、彼女は自ら会社「Enshu Ltd.」
を立ち上げ、利き酒師のインストラクターを始めた。
利き酒師のセミナーでは、「利き酒師とは何か」「アルコールとは何か」という基本的なことから、「お酒の種類・作り方」「テイスティングの方法」というプロフェッショナルな知識まで、日本酒に関する様々なトピックを教えていく。
驚くべきことに、海外の人に講習を行っていると、日本酒に関するたくさんの質問が飛んでくるとう。中には、「お米は、どんな土で育って、どんな土だと育たないの?」といった、素朴だけれど自分でも考えたことのないような質問までされる。日本人とは考え方や価値観が異なる人々に教えるからこそ、自分自身も日本酒を更に深く学ぶことができる。それが、講習の面白さの一つでもあるという。「生徒さんに利き酒師の試験の合格をお知らせすると、『本当にありがとうございました』と深く感謝される。それがとても嬉しいし、やりがいになります」
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<プロフィール>
東京生まれ、東京育ち。
物心ついた時から両親の仕事の関係で、有名デザイナー達のファッションショーへ足を運ぶ様になるが、ファッションには全く興味がなく、両親を落胆させ、16歳から始めたレストランのアルバイトがきっかけで、ホスピタリティーに興味を持つ。
後、東京の5つ星ホテルに勤務していた際、日本酒を学び、そこでの縁がきっかけで渡英。
ロンドンベースの高級居酒屋ZUMA&Rokaグループにて9年勤務し、その後はロンドンでEnshu Ltdを設立。日本酒に関するイベント、ワークショップ、セミナーを始め、SSIインターナショナルのロンドン校インストラクターとして英国では初となる認定をSSIインターナショナルより受ける。
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- 日本酒との出会い
日本酒の歴史やその良さを海外の人に伝え、利き酒師になるためのセミナーを行っているDosseur 里美さん。今は日本酒を心底愛している彼女だが、もともとは、日本酒を飲むのは苦手だったという。日本酒との出会いは、当時働いていたホテルの日本食レストランでだった。「日本食レストランで働いているのだから、日本酒は飲めるようにならないと」と先輩に勧められ、お酒を口にする。その時、彼女に衝撃が走った。「こんなに日本酒が美味しいものだなんて、知らなかった。何か、ビビッと来たものがありました。」その美味しさに恋に落ちた里美さんは、日本酒について学びたいと思うようになる。そして、利き酒師のセミナーに参加、資格を取得した。
- 利き酒師の素晴らしさ
里美さんが渡英をしたのは、2005年のことだった。利き酒師インストラクターを務める前は、ロンドンにある高級日本料理店「ZUMA」で働いていた。ある時、日本酒に関する知識を共有し、広める活動をする協会である「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」から、「イギリスで、海外の人に利き酒師の講習をしてくれないか」と声がかかる。それがきっかけで、彼女は自ら会社「Enshu Ltd.」
を立ち上げ、利き酒師のインストラクターを始めた。
利き酒師のセミナーでは、「利き酒師とは何か」「アルコールとは何か」という基本的なことから、「お酒の種類・作り方」「テイスティングの方法」というプロフェッショナルな知識まで、日本酒に関する様々なトピックを教えていく。
驚くべきことに、海外の人に講習を行っていると、日本酒に関するたくさんの質問が飛んでくるとう。中には、「お米は、どんな土で育って、どんな土だと育たないの?」といった、素朴だけれど自分でも考えたことのないような質問までされる。日本人とは考え方や価値観が異なる人々に教えるからこそ、自分自身も日本酒を更に深く学ぶことができる。それが、講習の面白さの一つでもあるという。「生徒さんに利き酒師の試験の合格をお知らせすると、『本当にありがとうございました』と深く感謝される。それがとても嬉しいし、やりがいになります」
この社名とロゴには里美さんの日本酒への愛情が込められている。
「日本酒を通して、ご縁がつながるように」という思いで、
「縁=en」「酒=shu」という名前にしたのだという。「酒」の字には象形文字を使っている。
「歴史や、昔ながらの日本文化が好き」という里美さんらしいロゴだ。
- 日本の文化を伝える楽しさ
里美さんは、イギリスに来てから、「海外の人に日本文化を伝えたい」という思いが芽生え始めたという。
イギリスの日本食レストランで働いていた頃、スタッフのトレーニングとして、日本文化を教える機会があった。その時に、節分など、日本文化にまつわる話をしたり、イベントを開催したりする中で、日本文化を伝える楽しさを知ったという。
今年(2016年)の2月には、日本の「節分」の紹介も兼ねた日本酒のイベントを開催する予定だ。「歴史が好きなので、日本史を学びながら、海外の人に教えるのが楽しいんです。」日本には、今では薄れてきてしまった、古くからの習慣や風習が多くある。それを海外に広めることで、改めてその風習の素晴らしさが見直される。海外にいるからこそ気づく日本の良さを、里美さんは日本と海外の架け橋となって伝えているのだ。
- 変えていきたい、「日本のイメージ」
イギリスで活動する上で、これから海外に伝えていきたいのは、「伝統的な日本のイメージ」だ。今、海外で日本のイメージというと、「アニメ」「漫画」「カワイイ」など、ポップカルチャーに関するものがかなり多い。しかし、里美さんは、伝統工芸品や、醤油や味噌など、歴史のある日本の文化をもっと知ってほしい、と語る。まだ知られていない伝統的な日本の文化を、里美さんは様々なイベントを通してこれからも伝えていく予定だ。
日本食のレストランは目に見えて増えているように、日本酒も、昔からは考えられないくらい人気になった。これからも、「日本酒について学びたい」「利き酒師になりたい」と考える人は増えてくるだろう。里美さんのようなインストラクターの活躍によって、どのレストランでも日本酒が飲めるようになる日は、そう遠くないかもしれない。そしてそれを通して、伝統的な日本の文化のイメージがイギリスを始め世界に広がっていくことを強く願っている。
- 編集後記
今回インタビューをしていて感動した言葉の一つに、「自分の好きなことじゃないと、続けられない」というものがあった。里美さんは、「お客さんが笑って、楽しそうに食べているのを見るのがとても好き」だという。常連のお客さんに覚えてもらって、お酒のことや料理のことも、自分を信じて託してもらえる。その嬉しさと言ったらない。だからこそ、レストランで利き酒師として働き続け、インストラクターとしての彼女がいる。
彼女のように、本当に自分がやりたいことをしている人は、キラキラ輝いている。学生ながら、私も彼女のように生き生きと仕事をして、周りに元気を与えられる人になりたいと強く感じた。
里美さん、本当にありがとうございました!!
Enshu Ltd. の詳細はこちら→ http://masterofsake.com/about/enshu-limited/
「日本酒を通して、ご縁がつながるように」という思いで、
「縁=en」「酒=shu」という名前にしたのだという。「酒」の字には象形文字を使っている。
「歴史や、昔ながらの日本文化が好き」という里美さんらしいロゴだ。
- 日本の文化を伝える楽しさ
里美さんは、イギリスに来てから、「海外の人に日本文化を伝えたい」という思いが芽生え始めたという。
イギリスの日本食レストランで働いていた頃、スタッフのトレーニングとして、日本文化を教える機会があった。その時に、節分など、日本文化にまつわる話をしたり、イベントを開催したりする中で、日本文化を伝える楽しさを知ったという。
今年(2016年)の2月には、日本の「節分」の紹介も兼ねた日本酒のイベントを開催する予定だ。「歴史が好きなので、日本史を学びながら、海外の人に教えるのが楽しいんです。」日本には、今では薄れてきてしまった、古くからの習慣や風習が多くある。それを海外に広めることで、改めてその風習の素晴らしさが見直される。海外にいるからこそ気づく日本の良さを、里美さんは日本と海外の架け橋となって伝えているのだ。
- 変えていきたい、「日本のイメージ」
イギリスで活動する上で、これから海外に伝えていきたいのは、「伝統的な日本のイメージ」だ。今、海外で日本のイメージというと、「アニメ」「漫画」「カワイイ」など、ポップカルチャーに関するものがかなり多い。しかし、里美さんは、伝統工芸品や、醤油や味噌など、歴史のある日本の文化をもっと知ってほしい、と語る。まだ知られていない伝統的な日本の文化を、里美さんは様々なイベントを通してこれからも伝えていく予定だ。
日本食のレストランは目に見えて増えているように、日本酒も、昔からは考えられないくらい人気になった。これからも、「日本酒について学びたい」「利き酒師になりたい」と考える人は増えてくるだろう。里美さんのようなインストラクターの活躍によって、どのレストランでも日本酒が飲めるようになる日は、そう遠くないかもしれない。そしてそれを通して、伝統的な日本の文化のイメージがイギリスを始め世界に広がっていくことを強く願っている。
- 編集後記
今回インタビューをしていて感動した言葉の一つに、「自分の好きなことじゃないと、続けられない」というものがあった。里美さんは、「お客さんが笑って、楽しそうに食べているのを見るのがとても好き」だという。常連のお客さんに覚えてもらって、お酒のことや料理のことも、自分を信じて託してもらえる。その嬉しさと言ったらない。だからこそ、レストランで利き酒師として働き続け、インストラクターとしての彼女がいる。
彼女のように、本当に自分がやりたいことをしている人は、キラキラ輝いている。学生ながら、私も彼女のように生き生きと仕事をして、周りに元気を与えられる人になりたいと強く感じた。
里美さん、本当にありがとうございました!!
Enshu Ltd. の詳細はこちら→ http://masterofsake.com/about/enshu-limited/
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